2024第4回ワーク&交流会 レポート
パパの仕事と家事・育児の両立を応援する「えひめスクラムプロジェクト」。
10月19日(土)に西条市の「石鎚ふれあいの里」にて開催された第5回のテーマは
「パパ活躍!親子で楽しむアウトドア体験」。
西条市の「石鎚ふれあいの里」のスタッフ駒井さんと池川さんを講師に迎え、
アウトドア体験として薪割りや火起こしを学びました。
当日はあいにくの小雨でしたが、まだ真夏日が続く時期だったこともあり、
気温が上がらず逆に活動しやすいコンディションでした。
屋根のある場所を用意していただくなど天候に左右されることなく万全の態勢で、
7組の親子総勢21名で自然と触れ合いました。
受付場所の研修棟で集合し、簡単な説明や川に近づかないなどの注意点を受けます。
その後は屋外に移動し、アウトドア体験スタート!
まずは薪割りから。
駒井さんからケガをしないためにどうするか、薪をなぜ小さく割るのか説明がありました。
ケガをしないために、
・端に薪を置かない
・最初にトントンと少し刺してから力を入れる
・節の部分は硬いので避ける
・滑るようなら手袋は刃物を持つ方はなくてもOK
薪を割る刃物はナタなど、普段の生活では使い慣れないもの。
勢いがついて足に当たったりしないよう、注意しながら割っていきます。
子どもたちが不安そうに見守る中、最初こそパパも戸惑い気味でしたが、
その後は順調に薪割りを進めていきました。
ここでちょっとトラブル。
公園で遊べると思ったお子さんが泣いてしまいました。
そう、子育てって大人の都合では進みませんよね。
泣いてしまうとお父さんも焦ってしまいますが、気にしなくても大丈夫。
イベントでは託児スタッフがいますので、こんな時も安心です。
お父さんと協力してご機嫌をとりつつ、お子さんのペースに合わせて進めていきます。
薪割りはどんどん進み、大中小の様々な薪が並びます。
慣れてきたお子さんたちもお父さんと一緒に薪割りに参加。
子ども達の対応力の高さには毎回驚きます。
駒井さんから
・薪は大中小に分けて並べる
・割りばし程度の太さが5本程度は必要
・燃えやすい「すぎっぱ(スギの葉の乾燥したもの)」を近くに置く
とアドバイスが。
大きさごとに分けておくのがコツです。
普段なら、ライターなどで簡単に火をつけますが…
今回は、アウトドア体験。
ファイヤースターターを使って火起こし!
火が燃えやすいように、薪を縛っていた「麻ひも」を着火剤代わりに使用します。
麻ひもを適度に切ってばらしていくと、もじゃもじゃと呼ばれる着火剤に。
そのもじゃもじゃの中にファイヤースターターの火花を落とし、火をつけていきます。
ここから「すぎっぱ」で着火剤作りに入ります。
実際に手触りを確かめるのも大事。五感で確認することでより関心をもつようになりますね。
駒井さんの説明を受けたら、家族で協力してヒモの状態にしていきます。
ここでも声かけや親子のコミュニケーションが大事になってきますね。
ひも状にしたら、手分けしてばらします。
ここもパパの出番。
お手本を見せたり手助けしたり、子どものサポートに回る姿があちこちで見られました。
着火剤ができたら、次は火をつけるステップへ。先生がお手本を見せてくれます。
見ていると簡単そうに見えるファイヤースターターですが、これが意外と難しい。
お父さんたちは角度やスピードを変えたり、あの手この手でチャレンジします。
「がんばれー!」
自然と子どもたちから、お父さんを応援する声が沸いてきました。
汗をかきながら頑張るお父さんの姿に、何か伝わるものがあったのでしょう。
火が付いたら、急いですぎっぱや小さな薪をくべていきます。
ここで、駒井さんから指示があった、分けて順番に並べて置く理由が判明!
すぎっぱが燃え尽きる前に、急いで薪をくべていく必要があります。
キレイに並んでいたおかげで、どの家族も火起こしが無事成功!
段取りの大切さ。これは日々の家事や子育てにも繋がりますね。
火が付いたら、ここはやっぱり何か焼きたいですよね。
そこで、ここからはがんばったみんなのお楽しみのご褒美タイム。
お父さんが火起こしした焚火で、ウインナーやカマンベールチーズを焼いていきます。
ここでも、〇〇さんから
「焚火が子どもの目線なので注意しましょう」
「ナイロンの服は焼けてしまいます」
と注意喚起が。
火は楽しいこともあれば、危険なこともあります。
子どもから目を離さない。
これも育児において大切なことです。
最後に登場したのは、大きなマシュマロ。
あぶってそのまま食べてもよし、ビスケットとチョコで挟んでスモアにしてもよし。
かわいい見た目のマシュマロ登場に、お子さんたちも大盛り上がり。
マシュマロは焦がしやすいので、子どもたちも工夫していました。
これも実際の火を前にしないとできない体験。
昔はかまどに火をくべてご飯を炊いたり、お風呂を薪で沸かしたりしていましたが、
今は家電も進歩して安全の為にIHにするなど家庭でも火を見る機会が減ってきました。
だからこそ、こうした経験をすることで火の怖さ・ありがたさを学ぶことができるんですね。
ウインナーは焦がしてしまったお子さんも、
今度は上手に焼いている様子を見て、実体験から学ぶことの重要さを改めて感じました。
最近ではキャンプ動画なども多くありますが、見るのと体験するのでは大違い。
火の熱さや必要な距離感など、実体験だからこその学びがあったのではないでしょうか。
これからはパパたちだけで交流会です。
ご自分も子育て中だという駒井さんと池川さんと焚火を囲んで、今日の感想や子育ての困りごとを順番に話し、交流を深めていきます。焚火の揺らぎもあり、パパたちも和やかな雰囲気。
まずは今日の感想について、
「昔、子どもとしたバーベキューを思い出した。その経験からか子どもも慣れている様子だった」
「最初はぐずってしまったが、なんとかなった」
「こんな機会は貴重」
「無料でありがたい」
パパでなく、おじいちゃんが参加されたご家庭もあり、
「60歳までこんな機会はなかった。着火に苦労して火のありがたみが分かった」
こんな感想をいただきました。たしかに、日常生活では経験できない体験だったと思います。薪割りでは、パパが薪を支えて子どもたちがナタを使うなど、親子で協力する様子も見られました。火起こしに奮闘する姿も、いつも優しいお父さんの頼りになる姿が見せられたのではないでしょうか。
ご自身も高校生・中学生のお子さんがいる駒井さんは、
子どもたちとの「フリーキャンプ」の活動を4年間行っています。
最近の子どもたちの傾向として、
「初めて来る子は何をやっていいのか分からない子が多い」
「自己主張できない」
他の子に遠慮して自分の気持ちが言えない子が多いそうです。
しかし、子どもたちは1日で環境に慣れるそう。
「1日経つと人が変わったようになる」
「意見の対立から喧嘩になることもある」
駒井さんは、
「喧嘩もあるけど、それもいい」
「話し合いで大切なことは、自分の意見を相手に伝えること」
「失敗を恐れないこと」
だとアドバイス。
子育て中は、トラブルにならないように先回りして子どもに注意してしまうこともたくさんあります。
それも大切かもしれませんが、意見の違いなどを通じて人間関係や相手の気持ちを学ぶこともあります。
口を出さず子どもを見守る。こういったことも必要だと改めて実感しました。
ご自身も小学生の息子さんを育てる池川さんは、
「子どもが自分でやりたくなるのを待つ」
とおっしゃっていました。
親としてはずっと家でいるのではなく、外遊びや登山などいろいろな経験をさせたいですよね。
でも、無理矢理連れて行っても…常日頃から外遊びなどの楽しさを伝えておく。
そして、子どもがやりたい気持ちになっている時を見逃さない!
これが大切だそうです。
池川さんは寝る前のお話タイムを確保しているそう。
パパも日頃忙しいと思いますが、子どもへのアンテナを立てておく工夫をすることも大事ですね。
そしてキモでもある、パパのお悩みを語り合う時間に。
同世代の子どもがいる親同士、ウンウンとうなづきながら聞く姿が印象的でした。
参加したお父さんからは、
「妻を怒らせてしまう。妻自身も数日経つと怒ったことを忘れているようだけど」
との体験談が飛び出ました。
子育て中のママは忙しく自分に余裕がないと、普段なら怒らないことでも感情が抑えられなくなることもあります。親子だけではなく、夫婦の間でもコミュニケーションは大切すね。
ママにはママの、パパにはパパの大変さがあります。
自分だけが辛いと思うことのないよう、お互いを思いやる気持ちをもちたいですね。
そこからは子育ての困りごとへと、話題が移ります。
共通の悩みでは、スマホ・ゲーム・動画とどのように付き合うか。
「気が付けば、ずっと見ている」
「親の見て欲しい動画は見てくれない」
こんな悩みがあるようでした。それに対して参加しているお父さんから、
「リビングのテレビで家族と一緒に見るルールにしている」
「諦めてとことん見せたら、自分で時間を決めてするようになった」
こんなお話がありました。
「自分なりのルールを子どもが決めた」
「よほどのことがないと口を出さないようにしている」
など、小学校高学年のお子さんだと自分で決めることができるため、
自主性に任せるという意見もありました。
フリーキャンプでもそうでしたが、子どもにとって「自分で決める」ということも大切なことのようです。
誰かに言われたからではなく、自分で決めたからこそやり抜く力が養われるのかもしれませんね。
火おこしや薪割りでパパの出番が多く、子どもと連携しながらできるアウトドア体験は、
パパや家族のきずなをより深めるのに一役買ったようです。
子どもに任せることや、自然の怖さ、楽しさも学び充実した顔で皆さんは会場を後にしていました。
ご参加いただき、ありがとうございました。