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2024第9回ワーク&交流会 報告レポート

2024.12.23

お父さんの仕事と家事・育児の両立を応援する「えひめスクラムプロジェクト」。
12月7日(土)「松山市立子規記念博物館」にて開催された最終回・第9回のテーマは
「パパ必見!家族のベストショットテクニック~街並み散歩編~」。
今治・大洲でも実施し好評だったセミナーを、本年度のワーク&交流会の最終回・締めくくりとして開催。
家族の大切な瞬間をもっと素敵に残す撮影のコツを、プロのカメラマンが分かりやすく、パパたちに伝授してくれました。

師走の風が吹く曇り空の日、アカデミックな内容に相応しい松山市立子規記念博物館にて、
14組の親子総勢40 名が集まり、プロカメラマンの技術とコミュニケーションを学びました。

今回の講師もプロカメラマン・和田さんです。
ホワイトボードを使用し、スクール形式で写真撮影のポイントをわかりやすく説明。

今回の参加者は一眼レフカメラ、コンパクトカメラ、スマホと様々なカメラを持参。
みなさん熱心に説明を聞いていました。
まずは構図のことから。「グリッド線」や「ISO」などの専門用語の説明がありました。
一眼レフカメラでは「絞り」や「シャッタースピード」にも注意が必要とのことです。

●グリッド線
・交差する4点に重要なものを配置する
・顔を撮影する時は目の位置に点を配置(ピントも目に)
●空間
・余白を活用することで想像力をかきたてる写真になる
・縦写真など上に余白をとることで立体的になる
●アングル
・引きと寄りを活用
・後ろ姿もおもしろい写真になる

構図に関しては、お子さんの写真を撮る時はぐっと寄って撮ると、しっかりと表情が分かる写真になります。
いつもより二歩三歩寄って写真を撮るといいそうですよ。

熱心にメモを取るパパの目は真剣そのもの。
この後の撮影会に向けて気持ちの準備も整っていった様子でした。

一通りの説明が終わり、和田さんから「楽しんで」とアドバイスを受けたら、みんなで早速、外へ出て実践です。
土曜の午前とはいえ、道後は人気観光スポット。
車や観光客に注意しながら、安全第一で移動します。
スタッフが旗をふりながらご案内しました。
今回の撮影スポットは写真映えも入れながら親子で楽しめるよう、スタッフが苦心して考えたコースです。
まずは道後の映えスポット「道後温泉遊技場 ウラ道後」からスタート。
参加者は、なんと家族ごとに射的かガチャガチャが一回無料!
撮影スキルを学べて、無料で遊べるなんてお得なイベントですね。

射的を真剣な表情でする子どもたち。
その姿を写真におさめようとがんばるパパたち。

いろんな角度から写真を撮影していきます。パパの狙い通りに映ったかな?

小さなお子さんがいるパパは抱っこしながらの撮影で大変そう。

ここは飾りなど『映える』背景写真が撮れるのですが…まずは、お子さんの表情を優先!
角度も工夫しています。

和田さんのアドバイス通り、ぐっと寄ったパパも。

こちらは引きの写真。パパたちも様々なアングルで撮影していました。

しっかりとお子さんと目線の高さを合わせることで大人の見方とは違う写真が撮れるそう。
和田さんから「子どもと目線と合わせることで、自然とコミュニケーションがとれるようになる。
カメラはコミュニケーションツールの一つですよ」とお話がありました。
まさに、その通りですね。

次は圓満寺へ移動。ここは恋愛成就のパワースポットとしてだけでなく、
フォトジェニックな撮影スポットとしても有名な場所です。
参拝して家族の絆を深めるのもいいですね。

するとお子さんが道端で転んでしまうアクシデントが!
膝を擦りむいた様子だったので、スタッフが走って救急箱を取りに行っている間に、
参加者の親御さんがさっとカットバンを出して、なだめてくれていました。
子育てって、こういう風にみんなで協力していくものなんだなと、
風は冷たくても、心はポカポカ温まるような出来事でした。

構図を考え、場所を移動しながら撮影するパパたち。

撮影した写真を親子で確認。気が付けば親子の距離もぐっと縮まっています。
これこそ、親子のコミュニケーションツールの本領発揮といった感じです。

次は道後温泉本館前へ。
人力車が並ぶ正面で撮った後は、商店街を道後温泉駅まで散策しながら移動します。
お子さんが興味を持つものも多く、シャッターチャンスもあちらこちらにありました。

ここで和田さんからアドバイス。
動きが読めないお子さんのシャッターチャンスを逃さないために、オートフォーカスに設定しておくといいそうです。
たしかに、この瞬間を撮りたい!と思っても、設定変更する間に終わってしまいますよね。
お子さまのタイミングを見逃さない。
ここで第4回のアウトドアの時に講師が参加者にアドバイスしていたことを思い出しました。
「子どものやりたいサインを見逃さないこと」。
ここにも通じるものがありそうです。
子育てはタイミングも大事なポイントの1つのようです。

からくり時計前に着いた頃、和田さんから、風景にモノを入れるときの構図について助言が。
少し離れて撮ることで余白が生まれること、
背景にモノを入れることで後々「道後温泉に行ったんだな」と思い出も残りますよとお話がありました。
また、下からのアングルで撮影することで、立体感のある写真になるそうです。

お子さんが何かを食べている時は、ぐっと寄って撮るといいそうです。
食べている時の幸せそうな表情を逃さないようにしたいですね。

参加のみなさんは和田さんのアドバイスを受けて、その通りにお子さんの目線で撮影しています。
中腰の姿勢は疲れますが、かわいいお子さんの思い出のため、がんばれパパ!

お子さんも気分はプロカメラマン。うまく撮れたかな?

道後温泉にはフォトスポットが思った以上にたくさんあるんですねと、新たな発見があったという親子もいました。
たまには親子でカメラを片手に散歩するのもいいですね。

思い通りの写真は撮れたかな?と入念にカメラをチェックするパパ。

家族に撮れた写真をアピールするパパも。
お子さんが大きくなるにつれて、一緒に外出したり、ゆっくり話をする機会も減っているそうで、
今日は久しぶりにじっくり顔をみて、成長を感じながら撮ったようです。

こちらのパパは思わずつられてしまうような笑顔で足湯に浸かるお子さんを撮影。
和田さんのおっしゃる、カメラを介したコミュニケーションを実践するパパの表情を見ていると、
これからの日常にもぜひ取り入れて欲しいなと思いました。

熱心にアドバイスを聞くパパ。みなさん、かわいいお子さんのために一生懸命です。

さて、一通り撮った後は会場に戻って、お待ちかねのベストショット発表会!
それぞれに思いのこもったショットがある様子で、ちょっと照れくさそうに「今日の一枚」を順番に出していきます。
和田さんの解説では、
●空間とピント
・後ろの空間は過去、前は未来を表す
・手前の目にピントを合わせると未来を表現、奥だと過去でアンニュイな印象
●顔がアップ
・画面の半分以上が顔で迫力のある力のある写真に仕上がる
・何をしているか分かるのもいい
●光の取り入れ方
・逆光をあえて撮ることでシルエットのみが浮かび上がる印象的な写真
・真正面からだけの写真だと平べったい印象になってしまう
●構図
・あえて前に何か(木の葉など)を入れることで立体感がでる
・あえて被写体を真ん中に置かない構図もおもしろい
●子ども撮影
・ピントを気にせずシャッターを切る
・ズレていても動きのある元気さの伝わる写真になることも
・子どを動かすのでなく、カメラマンが動く
・動きを読んで先回りするとよい
こういったポイントの説明がありました。

建物を入れた写真、お子さんの表情のみの写真、シルエットのみの写真と様々なものがありパパたちの個性が光ります。
和田さんの「褒めポイント」もパパの自信につながったようです。

そしてここからは恒例のパパ交流会。別室の会議室に移動してパパだけの座談会の始まりです。
今日の感想や子育ての困りごとを順番に話し、交流を深めていきます。

まずは今日の感想について、
「人が多く構図をとるのが難しかった」
「子どもを2人連れていると大変。妻は普通にしているのでスゴイと思った」
「いつもは一人で撮影するが、今日はお父さんが多く心強かった」
「他のお父さんの角度など参考になった」
「先生の優しさとスタッフの気配りがありがたかった」
「今日は家族全員がカメラを向く瞬間があり、うれしかった」
「いつもはオートで撮っている。いい勉強になった」

パパだけのコミュニティが少ないようで、こうした集まりはパパの気持ちのサポートにもなっているようですね。

続いてパパたちのお悩み相談。
「下の子が歩けるのにずっと抱っこと言う」
「妻の機嫌の取り方に苦労している」
「仕事から帰ってくると空気の悪い時がある」
「何食べる?に何でもいいと答えると怒られる」
「近くに親戚もおらず、子どもの預け先に困ることがある」
など、ママへの対応や子育てへの苦労を共有しました。

育休を取得したパパを聞いてみると多くはいませんでしたが、
取得した人の中には、産後の安定するまで授乳以外は全てやったというパパもいました。
もっと育休の取りやすい社会になると、パパの育児参加率も高くなりそうですね。

今回は幅広い年代のお子さんがいたこともあり、
何人も子育てしたパパから新米パパへのアドバイスや和田さんの体験談もありました。
「妻の機嫌を取る為に、近くのコンビニで甘いものを買って帰る」
「お互いのルールとして、言葉で謝りたくない時はコーヒーを入れるようにしている」
「週末は必ずお出掛けするようにしている」
「献立を聞かれたら、まずはある食材を聞いてから具体的なメニューを伝える」
「カップラーメンパーティーはどう?など、何でも楽しんでみるといい」
人それぞれ、家庭もそれぞれ。
これといった決まりがないからこそ、お互いが楽しんで暮らせる工夫が大事なのですね。

今年度は9回シリーズで東予・中予・南予で開催しましたが、
エリアに関係なく、どこでもパパは家族を大事に思い
頑張っている様子や交流をはかろうとする姿が印象的でした。

ご参加いただいた皆さま、講師の皆さま、ありがとうございました。

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