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交流会

第3回ワーク&交流会 報告レポート

2023.09.30

お父さんの仕事と家事・育児の両立を応援する、「えひめスクラムプロジェクト」。
9月23日に松山市・サイボウズ松山オフィスにて開催された第3回のテーマは、
「プロに学ぶ!パパのための乳幼児ケア」。
松山東雲女子短期大学保育課准教授の岡田恵氏を講師に迎え、
普段はあまり知る機会のない、乳幼児期ならではの子どもの扱いを学ぶ講義が開催されました。


講義と言っても固い印象ではなく、この日のお話は非常にカジュアルなムードの中で終始行われました。
足を運んでくださったお父さんたちは、多くの方がお母さんやお子さんと一緒に参加。
テーマの影響もあってか0~2歳の乳幼児期のお子さんが多く、会場の空気感はとても和やかなものでした。

会場の後ろでは、大学で保育を学ぶ現役の社会人学生さんによる子どもたちのフォローもありました。
お母さんたちも交えて子どもたちの相手をしつつ、講義中も自由にお父さんの移動が可能な環境で、第3回のワークショップがスタートです。

最初に岡田先生からは、子育て中のお父さん同士の独特な距離感のお話がありました。
母親とは違い、父親同士で育児の相談をしたり、情報交換を行う人はまだまだ少数派。
ですが、いろんな場所で顔を合わせると、なんだか“仲間意識”を持つ、という人も多いようです。

一方で、今の時代は家族の在り方も実に千差万別。
母親だけでなく父親も、理想的かつ完璧な育児と仕事をしなければ、という強迫観念を持って疲れてしまう人もいるとのこと。
家族や夫婦によって、生活スタイルも家族の形も様々。
その中でより大切になるのは、“父親らしさ”より“自分らしさ”を重視した子育てになるそうです。

具体的な事例を例にあげながら、岡田先生は乳幼児期の子どもたちの発達段階について詳しく解説してくれます。
「兄弟姉妹ができると、下の子の世話ばかりで上の子にかまってあげられない。」
「上の子と下の子の喧嘩も成長につれ増えた。」
「他の子に比べて子どもの発達の遅れが気になる」。
「パパのことが大好きなはずの子どもが、親を叩いたり反抗的な態度を取ることがある。」
「食べ物で遊んだりいたずらが増えたりして、しつけに疲れてしまう。」等々。
様々な家庭で“あるある”な悩みに、思わずうんうんと頷きながら話を聞くお父さんの姿も。

思わず頭を抱えてしまう悩みですが、子どもたちの発達が順調に進んでいる証拠である行動もあります。
子どもの発達の速度や凹凸も本当に様々。
発達が遅く手助けの必要な子もいますが、その際も大事なのは子どもが次の一歩を踏み出しやすくすること。
正しいサポートのため、子どもの発達を理解する事の大事さを先生は語ります。

そこからさらに、乳幼児期の子どもの発達に欠かせない食事や五感への刺激、そして他の子たちとの関わりについて話題が移ります。
人間の成長の中で幼い乳幼児期は、人に対する基本的な信頼感となる“愛着形成”において非常に重要な時期。
この愛着がきちんと形成できるからこそ、“パパやママは何を言っても自分を見捨てることはない”という信頼の上で、多くの親御さんを悩ませるイヤイヤ期が訪れたりもするのです。

乳幼児期をすぎれば、学童期や青年期を経て子どもたちはどんどん成長します。
徐々に子どもたちの“できないこと”に意識が向かうことも増えていきますが、乳幼児期の頃のように、“できたこと”へと意識を向ける大事さにも先生は触れました。
なかなか理想通りにいかない子育て。
その思うようにならない部分に「面白さ」を見出すことが、子どもたちと向き合う上で大事な部分なのかもしれません。

また講義の中では、先生が持参した本物そっくりの赤ちゃん人形が登場する一幕も。
重さも手触りも実際の赤ちゃんと一緒なので、疑似体験ができます。
乳幼児期の扱いになれない、というパパやスタッフが人形に触れ、子育ての疑似体験ができる時間も設けられていました。

講義の後は、お父さんたちだけが集まっての交流座談会に。
日頃の育児に関する話題やお悩みなどを自由に発言してもらい、よそのおうちはどうしてるのかな、と気になることも聞いたりして、交流を深めてもらいました。
「寝かしつけに苦労する」
「ダメとっても、言葉がまだわからない子どもはニコニコ笑っているだけ。叱り方が難しい」
「離乳食作りだけはどうしても勝手がわからず、妻に任せきりになる」
といった、お父さんならではの話題もあがってきます。

交流会の途中には、参加者のお父さんの悩みに、他のお父さんが
「うちはこんなふうに工夫して解決してます」
「そのことなら、こんな便利なアイテムがありますよ」
といった情報交換が行われるシーンも。
お父さんに甘えてくる子どもたちの出入りもありつつ、穏やかなムードでお父さん同士の様々なやりとりが行われていました。

今回のワークは、発達や愛着といった学問的な視点から、子どもたちの成長や日々の行動を紐解く貴重な機会となったようです。
またお父さん同士の交流座談会も、いい情報交換の場になり受けてよかったです、と笑顔で帰られる方も多く、お母さん達からも「なかなかこんな機会はないので、もっと増やしてほしい」というご意見も多くいただきました。
皆様、ご参加ありがとうございました。

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