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日常で子どものお世話をする時などの悩みが多く、どこに聞けばいいのかわかりません。
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少子化・核家族化となり地域のコミュニティーも希薄になっています。しかし、お住まいの地域には必ず「保育所」「幼稚園」「認定こども園」等があると思います。それぞれの場では「園開放」なども行っていると思いますので、ぜひ「相談」を兼ねて遊びに出掛けてみてください。児童館や子育て広場もお勧めです。「こんなことで悩んでいるのは、自分だけかな」「もうちょっと頑張らないといけないのかも」など躊躇しなくても大丈夫です。調べてみると、地域には気軽に相談できる場所がたくさんありますよ。
松山東雲短期大学保育科 准教授 岡田恵さん
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子どもが助言や注意されるとすぐ泣く、怒る、といった態度になるのを治させたいです。
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子どもが注意されると泣く、怒るといった態度をとるのは当然です。
NPO Papa'n 代表 伊藤 悟志さん
それは人生経験が少ないから当たり前で、大人は周囲から助言や注意されても人前で泣いたり怒ったりしないのは【人前】だからです。大人であっても心の中では泣きたい気持ちや怒りたい気持ちがあります。子どもとの違いは表現するかどうかの違いだけです。
私は子どもがご質問のような泣いたり、怒ったりした場合
「パパに叱られて嫌な気持ちになってしまったんだね。」と優しく共感しつつ
(子どもが嫌な気持ちになったことは事実なので否定しない!)
「パパは○○ちゃんが(子どもの名前)大好きなんだけど○○ちゃんがした○○なこと(良くない行動)は直してほしいんだよ」
と伝えています。
子どもの人格は肯定し直してほしい具体的な行動を伝えています。
大切なのは子育ては長期戦だということ。
子どもを叱ってすぐ変わることはほぼありません。恐怖で叱りつける場合はすぐ変わりますがその場合【怖い人】がいないと行動は変わらないでしょう。
マラソンのように遠くのゴール(自立)へ向けペース配分を考え
親自身が、ゆっくり変わってくれたらいい!くらいの気持ちの方がうまくいくことの方が多いように感じています。
是非子どものすぐ変わらない可愛さを楽しんでみてください。
子育てはマラソンと例えましたが期間限定です。一緒に楽しみましょう!
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靴をはかせようとしたらいつも泣いて嫌がります、どうしたら履いてくれますか
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1歳を過ぎる頃になると歩けるようになってくるので、お外にお散歩に出かける機会も多くなりますね。これまでは裸足で過ごしていたので、急に「靴を履く」と違和感を感じているのではないでしょうか。可能であれば、身近なところに靴を置いてお子さんが手に取ったり、遊びに使ったりできるように触れておくこともいいかもしれません。部屋の中で履いてみるなど、遊びながら靴を履く経験をすることもお勧めです。それでも靴を嫌がるようであれば、何が嫌なのかを観察してみてください。あまり頑張りすぎるとますます嫌がってしまう原因になるかもしれないので、少し時間をおいてみましょう。
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子どもへ宿題にどう取り組ませたらいいかが知りたいです。
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宿題が嫌い、取り組まない子どもはとても多いですよね。幼児期から学童期にあがる小1の時期に習慣がなかなかできにくい子もいます。また、小3以降の思春期やギャングエイジ期に入ると、社会的スキルが身についてくるので、日々の様々な出来事に疑問が出てきます。その1つに「どうして勉強しないといけないの?」「なぜ宿題をしないといけないの?」があると考えられます。
子育て福祉推進協会 理事長 新井寛規さん
前提として、こうした勉強が嫌いであったり、疑問が出てくることは「成長の証」とも言えます。ちゃんと育っているということです。ではどう取り組ませるかというと、様々な工夫が必要ではないかと思います。
まずは言葉によるアプローチです。ただ単に「やりなさい」ではなく、なぜ宿題をしなければいけないのか、期日通りに決められたタスクに取り組み達成する意味まで伝えても良いと思います。また環境から考えても良いでしょう。「〇時までは宿題をする時間。それが終わってから自由な時間やおやつ」と決めても良いですし、家で家族と一緒に宿題をしても良いです。「一緒に」ということが大事ですね。
更に平日はお仕事がある方にお勧めなのが、土日に一緒に勉強する時間を設けることです。お子さんは両親の姿を見て育ちます。本をよく読む家庭はお子さんも本をよく読むケースが多いです。こうした家族の文化が色濃く影響することを、専門用語でハビトゥス(文化資本)と言います。
ただ宿題というもの自体、特に東アジアに強い文化でもあるので、世界的に見るとない国の方が多いと言うのも事実です。小3より下の学年の宿題は減ってきている国が多く、日本においてもそうした流れを追随して変わっていくこともあるかもしれません。
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嫌いな食べ物は自分で料理をしても食べません。 何かいい方法はありませんか。
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はい、苦手な野菜を食べるようになって欲しいですよね。
料理講師 食生活アドバイザー 食育インストラクター 岸朋子さん
でも自分も子どもの頃は食べられなかったけど今は食べられるものが結構ありますから、無理強いまではしたくありませんよね。
例えばピーマンが苦手な子どもさんは多いです。ピーマンは切る事で苦味の成分や青臭さが出ますので切らずに丸ごと調理なら苦味が気にならなかったり、好物の食べ物と一緒に食べるということもできます。
「丸まま料理例」:ピーマンをアルミホイルに包み込んでグリルで10~15分蒸し焼き。あら熱が取れて触れるようになったら手でヘタと種を取り除き、一口大に割いてかつお節やしょうゆ、マヨネーズをかけていただきます。ハンバーグ好きなら、ピーマンにハンバーグの種を詰めたり、焼きピーマンを芯にしてハンバーグのタネで包んで焼いたり。ピーマンを隠さず、美味しく食べられることを知って欲しいと思います。
また、自分で世話をして収穫して料理を作るのも良いですよね。
我が家の長男は小学校4年生の夏までトマト、ピーマン、きゅうりは食べませんでしたが、夏休みに農家で野菜の世話をしたのをきっかけに食べるようになりました。
長男に聞くと「真っ赤になってるトマトはちょっと酸っぱいけど美味しい。自分が世話をして育てた野菜は特別」と言うのです。採れたて野菜の美味しさがわかったので食べられたようです。収穫した野菜の命をいただいて、自分の身体ができているのを知ることも大切だと思います。
今すぐ食べられるようになるのは難しいと思いますが、ある日突然食べられるようになることもあります。小さな体験の積み重ねを大事にしてあげてください。
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ようやく発音できるようになり口ごたえをするようになりましたが、何を言っているかわからず困ることが多いです。
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1 歳児は言葉の意味を理解できても、まだ話せる言葉は多くはありません。「まま」「まんま」ぶーぶー」などです。言葉を発したくても構音器官(舌、喉、唇、歯、歯茎など)が育っていないから発音ができないのです。話せないのですがこの頃には大人は話しかけることが重要になります。
松山東雲短期大学保育科 准教授 岡田恵さん
2歳になると言葉の数が増え「まま、きた」「おてて、きれい」などの2語文があらわれます。助詞はまだうまく使えませんが、もうこの頃には大人の話すことの意味はほとんど理解できるようになります。
3歳になると言葉の数は3000語ほどに増え、おしゃべりになります。してほしいことを言えますし、またその理由をいうこともできるようになります。子どもは3歳になれば自然に言葉が発達するのではありません。口ごたえについても身近な人の真似をしているようです。そして大人の反応を確かめていることが多いです。
一つの発達の流れとして温かく受け止めてみてください。周囲の大人が、笑顔で接し、言葉や歌を聞かせ愛情を持って接することで、子どもは結果として生活に必要な語彙をたくさん獲得していくことになります。
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妻が子供に対してヒステリックになっている時に、どのように間を取り持てばよいですか
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ご相談ありがとうございます。妻がそういう性格である、ということですかね。まずヒステリックになること自体は、いわずもかな良いこととは言えません。親側の感情の急激な変化やネガティブな面を全面に出すことは、お子さんの不安を掻き立てます。かといって我慢できるものならもうされていると思いますので、妻のヒステリックが我慢できず、ある程度頻繁にあると仮定してお答えさせていただきます。
子育て福祉推進協会 理事長 新井寛規さん
最初に①物理的な距離をあけること②妻が落ち着いている時にヒステリックになった原因を探ってみる③原因にアプローチできるのであれば実際に夫も動いてみる、という3つを確認してみましょう。
続いて、それでも難しい場合や夫婦仲まで影響がありそうな場合は、妻のストレスや不安を疑いましょう。ストレスや不安の根本がなくなればそうした言動は減るかもしれません。例えば子どもが片付けをしなかったり、野菜を食べない、といったトリガーとなる原因がある場合は有効です。
そして環境要因も見てみましょう。家庭内でたまに見られるケースで、少し外から見ると改善点が見つかることがあります。先ほどの例で言うと「おもちゃ箱が入れにくい」だから「片付けをしない」といったことや「野菜が物理的に大きい」だから「食べにくいし食べない」といった感じです。
最後に、妻のヒステリーがなかなか収束しない場合はやはり専門家や医療、心理的なケアが必要になってきます。妻が悪い、という訳ではなく、こうした問題は様々な要因が絡み合って出てくるケースがほとんどです。バランスの問題もあるので、丁寧に考えていきましょう。
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子どもが抱っこ抱っことなったり、手がかかるので家事が進みません。どうしたらいいですか
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抱っこ抱っこ時期の子どもの相手をしながらの家事はなかなか進まず本当に大変ですよね。片手で行う家事は負担がとても大きいですので今回は3つの方法をご提案します。
1.おんぶで家事を行う
時短家事コーディネーター(くらしごと。 代表)しげしましほこさん
これは子どもと親の双方にメリットの大きい方法です。
おんぶで家事を行う場合、しゃがんだり立ち上がったりすることが親側の負担になりますので掃除は立ったままできるグッズを取り入れたり、洗濯物を干す際にも洗濯かごは台の上に置いてしゃがまずに洗濯物が取れるような工夫をすると良いでしょう。料理をする時には油がはねないように注意してください。
2.サービスや家電を利用する
子育て中の一時期はすべての家事を家庭内で行うのが難しい時があります。そんな時には一時的にサービスや家電を活用するのもひとつの手です。
家電に関してはこの先ずっと使うわけではない場合、レンタルサービスを利用すると便利です。サービスや家電への投資は時間への投資です。一時的に大変な時期を乗り越えるために利用する方は増えていますよ。
3.家事シェアする
子どもを抱っこしていると片手でしか家事ができませんよね。そこで、両手でする家事をシェアする方法もあります。例えば、料理では野菜のカット、洗濯物干し、お風呂掃除など両手でしかできない家事は家族とシェアしましょう。家族と一日のスケジュールを組み直してみると家事シェアできるタイミングを発見できることもあります。ぜひご家族と一緒に家事シェアを進めてみてください。
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正解がないので自分の育児が間違っていないか、不安があります。
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ご質問ありがとうございます。育児不安は、お子さんがいくつになってもありますよね。私自身も、日々葛藤しながらの毎日です。今回は、私が実践している不安を少し軽くする方法やルールをお伝えします。何かの一助になれば幸いです。
子育て福祉推進協会 理事長 新井寛規さん
①他人と比較しすぎない
多少は皆さんあるかと思うのですが、「〇〇くんはもうできているのに、ウチの子は・・・」とついつい考えてしまうものですよね。あまり比較して劣っているところを探しても、良い方向には進みません。
②インターネットやSNSの情報を真に受けすぎない
私は、インターネットの中には答えがないものも多くあると思います。また、SNSにあがっている話題も一部でしかありません。あくまで参考にする程度で「これが全て」と真に受けすぎないようにしましょう。
③人に伝えて意見を聞く
実際に子育てをしているママパパ友や、ご友人に情報を開示しましょう。自己開示はカウンセリング効果もあります。なかなか言いにくいこともありますが、ささいなことでも思い切って相談しても良いと思います。
④1人で悩みすぎない
これが1番大事かもしれません。特に、親御さんの心身の負担はお子さんにとって最も影響が大きいです。
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歯磨きを嫌がるのですが、何かいい方法はありませんか。
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お子さんの年齢にもよりますが、「歯磨きを嫌がる」という行為には様々な理由があると思います。例えば「口の中に歯ブラシが入る感覚が苦手」「口を開けることが苦手」「歯磨き粉の味が苦手」「同じ姿勢が苦手」「これまでに痛かった・嫌だったことがある」などです。まずは、苦手の理由を探してみてはいかがでしょうか。絵本や映像教材なども有効だと思います。できたら「ぎゅっと抱っこする」「大好きな絵本を読む」などのご褒美があると嬉しいですね。
松山東雲短期大学保育科 准教授 岡田恵さん